公益通報者保護法の強化について
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令和7年6月に成立した改正公益通報者保護法が、令和8年12月から施行されることになりました。
従来の公益通報制度においても、企業に対する公益通報制度の整備義務や、違反した場合の罰則は定められていましたが、実際には通報者が十分に保護されていなかったのではないかとされる事案もあり、今回の改正が行われました。
今回の改正では、まず事業者の体制整備について、実効性を確保するための措置が強化されています。具体的には、常時使用する労働者が300人を超える事業者について、公益通報対応業務に従事する者の指定義務に違反し、従来の指導・助言や勧告でもなお是正されない場合の命令権が新設されました。命令に違反した場合には刑事罰が課される可能性があります。
また、消費者庁から事業者に対して、報告や資料の提出を求める(報告徴収)権限に加え、当該事業者への立入検査の権限が新設されました。報告をしなかったり、虚偽の報告した場合、検査を拒否した場合等の刑事罰も設けられることになりました。
加えて、公益通報者の範囲も拡大されました。具体的には、事業者と業務委託関係にあるフリーランスおよび、業務委託関係が終了してから1年以内のフリーランスが新たに対象に含まれ、これらの者に対しても、公益通報を理由とする契約解除その他の不利益取扱いが禁止されることになります。
公益通報を理由とする不利益取扱いの抑止・救済についても強化されています。通報後1年以内に行われた解雇または懲戒については、原則として公益通報を理由とするものと推定され、立証責任が事業者側に転換されることが明記されました。
その他にも、制度の実効性を高めるため刑事罰の強化等の改正が行われています。
今回の改正は、公益通報制度の実効性を高め、通報者が安心して声を上げられる環境整備を進めるものであり、事業者にも一層適切な内部通報体制の構築が求められることになります。
以上
2026年5月25日
弁護士 角谷 茉美