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改正育児介護休業法の施行について

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以前、2021年6月に改正された育児介護休業法について、セミナー及びブログ(※)で説明しました。雇用環境の整備、個別の周知・意向確認の措置が義務化され、出生時育児介護休業制度が創設される等、社内体制の整備や就業規則の変更といった対応をされた会社も多かったのではないでしょうか。

今般、2024年5月に新たに改正された育児介護休業法が、今年の4月1日より順次施行されます。改正のポイントはいくつかありますが、基本的には、仕事と育児・介護との両立ができるよう、柔軟な働き方をするための措置が拡充されています。

例えば、子の看護休暇について、現行では、小学校就学の始期に達するまでとされていますが、これが小学校3年生修了までと拡大され、取得事由についても従前は①病気・けが②予防接種・健康診断だけでしたが、4月1日以降は③感染症に伴う学級閉鎖等、④入園(入学)式、卒園式等も含まれることになりました。また2021年6月改正では従業員数1000人超の企業に義務付けられていた育児休業取得状況の公表義務が、従業員数300人超の企業にまで拡大されることになりました。

育児休業の取得状況を公表しなければならないとなれば、事業主としては、できる限り、育児休業の取得率をあげることに注目しがちです。勿論、取得率をあげることは悪いことではありません。ただし、今回の改正では、事業主に対し、3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずる努力義務が課されている等、休業だけでなく、労働者が柔軟な働き方ができるような体制を整えていくことも求められています。

形式的な数字だけではなく、労働者一人一人のライフステージやニーズに寄りそっていく姿勢が重要だと思います。

2025年1月31日 
弁護士 角谷 茉美