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受任通知を送った後、相手方と面談を重ね、事件終了に至った事案

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1 はじめに

不当要求を受けている案件で当事務所に御依頼があった場合、実際にどのような流れで事件が進んでいくのか、初めて電話してから委任に至る日数はどのくらいなのか、事件終了まではどのくらいなのかなどをイメージして頂けるよう、過去の実例をご紹介します。事案毎に日数や内容は変わりますので、あくまで一つの参考として読んで頂ければと思います)。
今回は、委任契約を締結し、相手方に受任通知を送った後、相手方と面談を重ね、事件終了に至った事案を取り上げます。

なお、不当要求についての一般的な説明や、当事務所のその他の取扱事例については当事務所の不当要求専用ホームページをご覧下さい。

  • 当事者のプライバシーに配慮し、事案を多少変えているほか、具体的な日付も動かしています。

2 受任まで

  1. 平成○○年2月1日、依頼者Xの親族Aから電話。Xが仕事上のミスをきっかけに勤務先の社長Yから暴力団の名前も出されて脅され、金銭要求を受けていること、仕事を辞めたがっているが辞めさせてもらえないことなどを聴取し、事務所での法律相談を案内。本人Xは時間の都合がつかないとのことで親族からの連絡であった。
  2. 2月2日、再度親族Aより電話。他の法律事務所に電話したら、当事者同士で話し合うように言われたとのことであった。当事者同士で話し合う際、弁護士が同席してもらえるのかとの質問であったので、当事務所が受任する場合は原則として弁護士が窓口となり、当事者同士で連絡を取ることはないこと、それでも直接連絡が来る場合は法的手続きを取ることになる旨回答。面談での相談要望があったので、翌日の面談相談を予約。
  3. 2月3日、当事務所にてAが弁護士2名と面談。大まかな事情の聞き取りや弁護士費用などを説明する。また、Xは身の危険を感じているため、遠方へ転居することを決めていたので、仕事を辞めるタイミングや当事務所が介入するタイミングなどを協議。

3 委任契約・事件着手

2月6日、依頼者XとAが来所して事情聞き取り。委任契約締結。今後の進め方の打合せ。同日、相手方Yに対し受任通知を発送。内容は当事務所がXの窓口になるので今後Xに連絡をしないよう求めると共に、Xは今後勤務しないこと、業務上の契約がX名義になっている点の解消を求めることなど。この日の打合せ終了後、Xは遠方へ転居。

4 委任事務処理

  1. 当事務所が発送したX宛の書面が2月7日に配達。同日、Yより受電し、事務所でYと弁護士2名とが面談。通知書の内容についてのやり取りの他、今後、XとYとが関係を終わらせるための事務手続き等について協議。
  2. その後、当事務所とYとは複数回やり取りをしたものの、次第にYとは連絡が付かなくなった。YへのXへの連絡もなかったため、平成○○年10月8日に業務終了とした。

5 事件処理のポイント

  • 暴力団組員の名前も出てきていて、Xが身の危険を感じていて遠方への転居を決断していたため、それを前提とした処理となりました。※このケースでは転居されましたが、転居しないまま処理を進めることの方が多いです。
  • Xは日々の仕事をしていたので、突然いなくなるとAの業務に支障が出て、余計に紛争が拡大する恐れがあったことから、極力業務の引き継ぎをスムーズにして余計な紛争は減らそうと、弁護士が介入するタイミングを調整しました。
  • 至急の処理を希望されたため、相談から受任、着手と数日のうちに進みました。

令和5年1月11日
弁護士 細田祥子