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子どもの意見表明権

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今から30年くらい前、国連で「児童の権利に関する条約」が採択され、日本でもこの条約が発効しています。この条約は「子どもの権利条約」と呼ばれることが多いのでこのブログでもそう言います。

子どもの権利条約12条では、子どもには、自分に関係することがらについて、自分の意見をいう権利があることが定められています。この権利を、子どもの意見表明権と言っています。条約のなかでは、「自己の意見を形成する能力のある児童が、その児童に影響を及ぼすすべての事項について、自由に自己の意見を表明する権利」とされています。

子どもの意見表明権をふまえて、離婚や子どもとの面会交流の案件では、子ども自身が直接に裁判に参加したり、親を介さずに弁護士を代理人につけたりすることも認められています。家事事件手続法という法律の23条と252条にそのことが書いてあります。みなさん、ご存じでしたか ?

子どもの意見表明権についての国連の解説では、子どもの意見表明権を尊重することは「子どもの社会化を支援するうえで役に立つとともに、家庭におけるあらゆる形態の暴力に対して予防的役割を果たす」と書かれています。さまざまな暴力の予防になるというのは、とても意味深いことですね。

2023年11月27日 
弁護士 米倉 正実