ブログ

asadablog

不当要求かもしれないと思ったら・・・

カテゴリー:ブログ

1 証明責任

不当要求により受けた金銭的被害を回復するための方法として、民事訴訟を提起して金銭の返還を求めることが考えられます。そして民事訴訟においては証明責任という考え方があります。

証明責任を簡単に説明すると、請求を基礎付ける事実について証明できなかった場合、当該請求は認められないということを意味します。

例えば、不当要求により交付した金銭の返還を請求する場合、被害者側が、不当要求者に対して金銭を交付したことを証明する必要があり、証明できない場合には、被害者側の金銭の返還請求は認められないこととなります。

2 早期にご相談いただくことの重要性

不当要求者は、刑事上・民事上の責任を免れるため、証拠が残らないように立ち回ることが多いです。そして不当要求者に金銭を支払ってしまった場合、証拠が十分に集まらず、上記の証明責任の考え方から、金銭の返還請求が困難となる事案も少なくありません。そのため、不当要求者に対する対応としては、まだ金銭を支払っていない段階で弁護士に相談していただくことが最善です。

不当要求事案の初期段階ではこのような問題で弁護士に相談すべきかと悩まれる方もいるかもしれません。しかし、初期の段階でご相談いただくことが何より重要ですので、気兼ねなくご相談いただければと思います。

3 既に金銭を支払ってしまった方について

不当要求事案では継続して金銭を請求されることも多く、既に金銭を支払った場合でも、その後の被害を阻止することが必要です。

また、弁護士に依頼することによって、証拠を収集し金銭の返還を受けられることもありますので、被害の回復を諦めることなく速やかにご相談いただければと思います(当事務所の不当要求対応専用ページはこちら)。

2023年6月14日
弁護士 志智 哲