法律Q&A

FAQ

(人事)当社の地方支店の規模を縮小して、そこの従業員の一部を大阪にある本社に異動させようと考えています。しかし、転居を伴う配置転換には反発も予想されます。このような人事異動を命じることは可能でしょうか。

配置転換については、①就業規則等に配置転換の根拠があり、②業務上の必要性、③人選の合理性、④実施手続きの相当性があれば、⑤不当な動機・目的や著しい不利益があるなどの特段の事情がない限り適法と考えられます。
 もっとも、転居を伴う配置転換については、従業員の生活環境に少なからぬ影響を与えるため、労働契約上、勤務地の限定がされていないかという点や、業務上の必要性と当該従業員の生活上の利益に及ぼす影響との比較考量という点での検討も必要となります。
生活上の不利益については、独身か既婚者か、要扶養者・他の扶養義務者の存否、経済的精神的不利益の度合い、不利益解消行為(転居費用負担、社宅の手配など)の有無、当該配置転換に合理的期間を伴っているか、などの事情が考慮されます。
 本件では、支店の規模縮小ということで、業務上の必要性は認められると考えられますので、あとは、転勤による生活上の不利益の程度を具体的に検討して合理的な人選を行うとともに、十分な説明と準備期間を設けて転勤を命じることが望ましいでしょう。

カテゴリー
労働関係
タグ
人事、異動、配置転換、転居

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